心も体も休まるお風呂タイム……
お風呂でゆっくり湯船に浸かってリラックスしたり、子供とお風呂でスキンシップしたり、しっかりスキンケアをして明日に備えたり。
けれども、みなさんはお風呂のお湯に含まれている「塩素」が人体に悪さをすることがあるのをご存知でしょうか？
ここではお風呂のお湯に含まれる塩素と、その除去方法についてご紹介いたします。
塩素を含んだシャワーを浴び続けると、どのようなデメリットがあるの？
私たちが普段利用している水道水には、塩素という成分が含まれています。
これは水に含まれるコレラ菌や赤痢菌、大腸菌のような病原菌や微生物を殺して消毒するために、浄水場で加えられているものです。
安全な水をお家の台所やお風呂まで届けるために重要な役割のある塩素ですが、水道水が塩素臭い原因でもあり、実際に体に取り入れるのは嫌なもの。
最近では、専用の浄水器を取り付けたり、ウォーターサーバーを利用したりすることで飲み水の塩素除去をする人も増えています。
けれども、お風呂ではそのまま水道やシャワーから出る水を使っている、という人が多いのではないでしょうか。
「だって、飲むわけじゃないから、そんなに影響はないでしょう？」 そうお思いのあなた。
実は、そうとは限りません。
塩素除去をしないままのシャワーを浴び続けていると、肌や髪へ様々な影響が出てくる可能性があります。
むしろ口に入れる場合よりも、直接塩素に触れてしまうお風呂では、より強く塩素の影響を受けやすくなるのです。
そもそも、塩素には生き物の体を作っている細胞のタンパク質などと反応して、それを破壊するという効果があります。
それが細菌や微生物を殺す力になるのですが、一方でそれがお風呂において肌や髪に触れると、そのタンパク質をぼろぼろにしてしまいダメージの原因となってしまいます。
もちろん一回のお風呂で影響が出るわけではありませんが、塩素除去しないままの水道やシャワーを使い続けると、肌トラブルの原因になったり、髪が傷んだりするデメリットがあるのです。
お風呂での塩素除去に効果的な方法とは？
このように肌や髪にデメリットのある塩素は、お風呂から取り除きたいもの。
特にアトピーのような肌トラブルを抱えている方や敏感肌の方、肌の弱い小さいお子さんがいる家庭では、この塩素をどうにかしたいと考えている人も少なくないはず。
けれども飲み水とは違ってお風呂のように大量に水を使う場所では、ウォーターサーバーの水やミネラルウォーターを使うのは経済的にも現実的ではありません。
では、お風呂の塩素除去としておすすめの方法はどのようなものでしょうか？
お風呂での塩素除去方法として一つ目におすすめなのが「塩素を吸着させること」です。
備長炭などの活性炭や陶器などのセラミックボールなどが入れるだけで手軽な浄水器としてよく取り上げられていますが、これがお風呂での塩素除去にも効果を発揮します。
活性炭やセラミックには見た目からは分からない細かい穴が空いており、その穴に化学物質や汚れなどを吸着するという性質を持っています。
そのため、これらをお風呂のお湯にいれたり、水道の水を通したりすることで、水の中の塩素を吸着して除去することができるのです。
活性炭はお店などで比較的手に入りやすく、簡単に試すことができます。お風呂の湯船に入れる場合は、表面積を大きくするために小さい粒状にしておき、ストッキングのような袋に入れてお湯に浸けると処理も簡単で効果的です。
使い終わったら雑菌の繁殖を防ぐため、水を切って風通しの良い場所に置くようにしましょう。
セラミック製品には抗菌性があるものもあり、これらが衛生的にもおすすめです。
お風呂での塩素除去方法として二つ目におすすめなのが「入浴剤を入れること」です。
お風呂に入浴剤を入れるだけで塩素除去ができるの？ と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は市販されている入浴剤には多かれ少なかれ塩素除去効果のある成分が含まれています。
入浴剤の基盤として使われていることがあるチオ硫酸ナトリウムという成分は、観賞魚の水槽に入れる水の塩素除去の薬としてよく用いられています。
その他、健康成分として含まれているグルタミン酸や後述するアスコルビン酸なども、お風呂の中の塩素と反応するため、塩素除去剤として効果的なのです。
ただし入浴剤には炭酸や硫黄などの成分が含まれているものもあり、これらは敏感肌やアトピーの方にとっては刺激になってしまうものもあるため注意が必要です。
最近は塩素除去効果があると明記してある入浴剤もありますので、お好みでお風呂に入れてみましょう。
また、塩素は水の中の有機物と反応して化合物を作ることで消滅します。
そのため、ゆず湯風呂や菖蒲湯風呂といった昔ながらの入浴法や、飲み終わったお茶のパックをお風呂に入れるなんて方法も塩素除去に効果的です。
しかしながら、これらは主にお風呂の湯船などに対する塩素除去の方法です。そのため、シャワーから出てくる水の塩素除去はできません。
お風呂でシャワーから直接浴びるお湯の塩素除去はどのようにすればよいのでしょうか。
お風呂での塩素除去にビタミンCが役に立つ！？
皆さんは塩素除去にビタミンCが役立つということをご存知でしょうか。
ビタミンCといえば、美容や健康にいい、レモンやオレンジに含まれているもの、というイメージかもしれません。
ビタミンCは正式名称をアスコルビン酸と呼び、水溶性ビタミンとして柑橘系の果物や野菜など色々なものに含まれています。身体の中に入るとタンパク質であるコラーゲンを作る手助けをし、肌などの細胞の調子を整えてくれる成分です。
そして、このビタミンCを塩素の含まれている水に入れた場合、次のような化学式で水中の塩素と反応して無害化してくれます。
C6H8O6 ＋ NaClO → C6H6O6 ＋ H2O ＋ NaCl
(ビタミンC＋次亜塩素酸ナトリウム → 酸化ビタミンC＋水＋塩化ナトリウム）
このビタミンCが、お風呂のシャワーから直接浴びるお湯の塩素除去にぴったりなのです。
ビタミンCの反応はすぐさま行われるため、活性炭やセラミックのように塩素が吸着されるまで時間がかかるということはありません。
また、ビタミンCは水に溶けやすいため、お風呂の温度によって反応が左右される塩素除去剤と異なり、シャワーが水でもお湯でもちゃんと塩素を除去してくれます。
お風呂のシャワーから塩素除去を行うにはシャワーヘッド式の浄水器がおすすめですが、このシャワーヘッド式の浄水器には主に活性炭を入れたもの、塩素除去効果がある亜硫酸カルシウムを入れたもの、このビタミンCを入れたものの3種類があります。
その中でビタミンCを使った浄水器は反応速度が早いため、水の勢いを殺すことがなく、塩素除去率が高いシャワーをお風呂で使うことができるというメリットがあります。
ただし、同じビタミンCでも、浄水器の仕様や、ビタミンCの純度などにより塩素除去率は変わりますので注意が必要です。
一方で、塩素除去の度に浄水器に含まれているビタミンCが減ってしまうため、定期的にフィルターを交換してビタミンCを補給する必要があるというデメリットもあります。
けれども、フィルター交換を定期的に行うことにより、高効率で塩素除去された快適なお風呂に入ることができると考えれば、皆さんもぜひ使ってみたいと思うのではないでしょうか。
このように、お風呂の塩素除去は湯船やシャワーヘッドにひと手間かかってしまうものです。
けれども肌や髪にダメージを与える塩素から身を守り、心地いいお風呂タイムを送るためにも、ぜひお風呂での塩素除去を始めてみてはいかがでしょうか。
塩素が99.9％除去できるシャワーヘッド・アロマセンスとは？
※この記事は平成31年4月時点の内容です。
また、記載事項は効果を保証するものではありません。ご参考までにご利用ください。
