水道水に含まれる残留塩素が身体に与える影響と除去方法

 

私たちが毎日利用している水道水。

 

料理や食事だけでなく、洗い物や洗濯物、洗顔やお風呂など。

 

蛇口をひねればいつでも高い水質の水道水が使える日本は、水に恵まれた国だとよく言われています。

 

けれども、そんな水道水にもいろんな問題があることを皆さんはご存知でしょうか?

 

ここでは水道水に含まれる残留塩素と、その塩素が与える影響についてご紹介します。

 

水道水に含まれる塩素の濃度について

 

皆さんは塩素と聞いて何を思い浮かべますか?

 

もしかしたら、夏のプールの匂いを思い出す方もいるかもしれません。

 

塩素は水の消毒に利用される化合物で、病気の原因になる細菌や微生物を殺す働きがあります。

 

プールなどにはもちろん、日本の水道水には消毒のために塩素を入れることが法律で定められており、水道水とは切っても切り離せない関係になっています。

 

このような日本の水道水には欠かせない塩素ですが、実は世界を見るとそうではないということを皆様はご存知でしょうか。

 

日本において水道水の塩素濃度は最低でも0.1ppm(ppmは0.0001%のこと)以上含まれていることとされていますが、アメリカやフランスでの塩素濃度は0.1ppm以下、ドイツでの塩素濃度は0.05ppm以下とされ、下限はありません。

 

このように日本は下限のみが定められているため、浄水場の近くや水質の良くない場所の水道水では更に塩素濃度が高くなっている箇所もあります。

 

さらに、水質が優れているヨーロッパでは水道水に塩素消毒を行わない国もあるのです。

 

このように、日本は世界的に見ても水道水の残留塩素濃度が非常に高い国となっています。

 

この理由として、「日本の水道水は微生物の多い河川から取水しているため」と「どの水道水を飲んでも問題がない水質に保つため」という大きく2つの理由が挙げられます。

 

そもそもヨーロッパなどの水道水は湧き水や地下水から取られていることが多く、その場合は水の中の微生物が少ないため塩素消毒の必要性が低くなります。

 

また海外では、飲める水道水にするために浄水コストをかけるよりもミネラルウォーターを販売した方が安いという考え方の国も多く、塩素濃度が低い地域の水道水は飲用ではないことも少なくありません。

 

これは海外の水道水が、日本の水道水のように飲みやすい軟水ではなく、硬水であることも理由の一つです。

 

このように、日本の水道水は飲める水道水を各家庭の蛇口に安全に届けるという目的で作られています。

 

しかしながら、日本の水道水が世界的に見て高い塩素濃度になってしまっているのは間違いありません。

 

塩素のデメリットと除去方法

 

このように世界から見ても高い塩素濃度である日本の水道水ですが、この水道水に含まれている塩素はどのような影響を与えるのでしょうか。

 

塩素は高い毒性を持ち、細胞膜にある脂質やタンパク質と反応して破壊することで細菌や微生物を殺します。

 

そんな塩素がたくさん含まれている水道水は怖い、と思ってしまう人は少なくないかもしれません。

 

しかしながら、WHOに定められている水道水の残留塩素濃度の上限(生涯にわたり水道水を飲んでも人の健康に影響が生じない塩素濃度)が5mg/Lであるのに対し、日本の水道水の蛇口での濃度は1mg/L程度ですので、水道水を飲むにあたって問題がある塩素濃度ではないのです。

 

では水道水の塩素にデメリットがないのかといえば、そういうわけではありません。

 

大きなデメリットは水道水の塩素臭による匂いや味の劣化です。

 

昔ほど感じなくなりましたが、水道水の塩素臭は水道水を美味しくないと感じる大きな原因であり、それが料理の味を落とすことにもつながってしまいます。

 

このような塩素を除去する方法として簡単なのが、水道水を沸騰させることです。

 

やかんなどに入れた水道水を10分ほど沸騰させることで、完全に残留している塩素を取り除くことができます。

 

また、塩素除去剤の入った浄水器も数多く販売されていますので、これらを取り付けることも効果的です。

 

また、場合によっては水道水ではなくミネラルウォーターやウォーターサーバーを使うほうが手軽である場合もあります。

 

お風呂における塩素対策は必要不可欠!

 

さらに、飲み水に含まれる塩素による影響よりも重要なのが、お風呂のように直接肌や髪に触れる場合における塩素の影響です。

 

先ほど述べたように、塩素は細胞のタンパク質をボロボロに破壊する働きをもっています。

 

私たちの皮膚や髪も同じようにタンパク質で作られているため、水道水に含まれる塩素に触れることで傷がついてしまうのです。

 

それを知らずに塩素が含まれているシャワーを毎日浴びていると、どんどん皮膚や髪に傷がついていき肌荒れや髪の痛みの原因となってしまいます。

 

特にお風呂は皮膚や髪を守る皮脂が洗い流されており、水分を含んだ皮膚が弱くなっている時間であるため、塩素からの影響を受けやすくなっています。

 

アトピーなどの症状がある方にとっては、塩素が含まれたお風呂に入ることが刺激となり、悪化の原因になりかねません。

 

このようにお風呂における塩素対策は必要不可欠なのです!

 

それでは、お風呂で使う水道水の塩素対策はどうすれば良いのでしょうか?

 

飲み水のようにウォーターサーバーやミネラルウォーターを使ったり、水を沸騰させて塩素を除去したりするのはとても現実的ではありません。

 

そのため、水道水に含まれている塩素を肌に触れる前に除去してしまうという方法が取られています。

 

湯船に溜めた水道水の塩素対策としておすすめなのが、入浴剤を入れることです。

 

これは入浴剤の多くにビタミンCやグルタミン酸といった塩素と反応して除去してくれる成分が含まれているためで、ゆったりとした快適なバスタイムを楽しむことができる点においても非常に効果的です。

 

もし入浴剤の成分や香りが苦手だという人がいらっしゃいましたら、粉末のビタミンCなどを加えることで、湯船の中の塩素を除去することができます。

 

しかし、これではシャワーのように水道水をそのまま浴びる場合の塩素除去はできません。

 

このような場合におすすめなのが、シャワーヘッド式の塩素除去機能付き浄水器です。

 

この形の浄水器は、シャワーヘッドを取り替える手順で手軽に取り付けることができるのが利点です。

 

このように取り付けたシャワーヘッド部分には塩素除去機能のあるカートリッジが備わっており、この場所を水道水が通過するときにその水道水から塩素を取り除いてくれる仕組みとなっています。

 

このシャワーヘッド式の塩素除去機能付き浄水器には、主に「活性炭を使ったもの」「亜硫酸カルシウムを使ったもの」「ビタミンC(アスコルビン酸)を使ったもの」の3種類があります。

 

それぞれのカートリッジにメリットやデメリットがあり、その他シャワーヘッドの節水や水の出方によってもさまざまな製品が販売されていますので、目的に応じた塩素除去機能付き浄水器を利用しましょう。

 

このように、水道水に含まれる塩素は私たちの生活にとって重要な役割を果たしますが、デメリットも少なくありません。

 

自分のライフスタイルに合った塩素除去方法を取り入れて、うまく水道水の塩素と付き合っていきましょう。

 

塩素が99.9%除去できるシャワーヘッド・アロマセンスとは?

 

※この記事は平成31年4月時点の内容です。

また、記載事項は効果を保証するものではありません。ご参考までにご利用ください。